新たな動きではなく、傾向である
しかも、韓国人のこうした考えは事実上、かなり以前から形成されてきた傾向である。ただそれがここ数年、強まってきている。その主な原因は、韓国が北朝鮮から攻撃を受けた場合に、米国が韓国を防衛してくれないかもしれないという懸念である。世論調査では、51.3%の回答者が、朝鮮半島において予期せぬ状況となった場合、実際、米国は韓国を防衛するために拡大した抑止力を発揮してくれると信じている。
脅威は明白だが、防衛してもらえるかは疑わしい
「というのも、事実上、そのような攻撃があれば、それは米国との戦闘と見做されます。なぜなら、韓国領内には米軍基地があるからです。そしてこの場合、米国からの報復により、北朝鮮には殲滅されるリスクは避けられません。しかし、核紛争の行方は予測不可能です。そこで韓国の人々は、米国が韓国のために、自国の安全(北朝鮮は米ロサンジェルスを攻撃する可能性がある)を危険に晒すことはないのではないかと懸念しています。そして自国の核兵器を開発・保有することについて深刻に考え始めているのです。しかも、韓国は1970年代にも核兵器製造構想を推し進めていたのですから」。
同盟国たちの「戦略的反乱」
冷笑主義的計算
「米国は(中国とロシアを抑止するための)軍事行動を米軍兵士ではなく、日本と韓国で行わせることを想定しています。つまり米国はそこに核兵器を配備することによって、韓国と日本に、両国はしっかりと防衛されている、そして戦争は台湾海峡など、両国の領土外で行われることになるのだと説得しつつ、これらの国をただ危険なアバンチュールに『向かわせている』にすぎないのです。一方で、米国は、アジアの同盟国を中国との「核戦争の中に」放り込むことも十分あり得ます。その相手はロシア(極東)かもしれません。しかし他方で、米国は、もしも韓国と日本が独自の核兵器を持てば、同盟国に対するコントロールを失い、またこの地域での米軍基地をも失うことになると恐れています。」
人員が全てを決める
「韓国と日本のほぼすべての政治家(特に防衛機関の上層部)は米国の大学や軍事アカデミーで学んでいます。そして、これらの国の軍(自衛隊)は主に米国の武器や軍備で装備されています。しかも、韓国軍は事実上、韓国に駐留する米軍を統括する司令官の管理下に置かれています」。
傘はあるが他人の傘で明確な保障はない
「米国の兵器のおかげで、NATO諸国および韓国など核兵器を持たないいくつかのNATOのパートナー諸国で幅広い抑止が働いていることを理解しなければならない。そしてこれは核兵器の拡散を防ぐのを可能にするものなのである」。