研究チームは、戦争によって医療インフラが破壊され、不適切な治療法が行われ、放出された重金属イオンが自然界や人体をひどく汚染し、不衛生な環境をもたらしたと指摘している。その結果、これまでイラクでは見られなかった抗生物質への耐性を持つ微生物が自然発生するようになったという。
こういった「スーパーバクテリア」は、まずイラク全土に広がり、その後、地域全体と世界に広がっていったという。
微生物学者はここ20年間で、1種類以上の抗生物質に対して耐性を持つ微生物の菌株を数十種類特定してきた。研究者らによると、この「スーパーバクテリア」は、医療や畜産分野で抗生物質の大量誤用が行われたことや、都市や工場の排水から自然の生態系に入り込んだ薬剤が原因で発生するという。
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