ロイター通信などによると、ガソリン車の禁止は、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる「カーボンニュートラル」を2050年までに達成するというEUの目標に沿って決定された。賛成340票、反対279票で、21議員が棄権した。最終的な成立は今年3月になる見込み。
EUは2030年までに二酸化炭素排出量を2021年比で55パーセントさせることを目指している。現在、EUの二酸化炭素排出量では約15パーセントが自動車業界由来となっている。
反対勢力からは、こうした急進的な措置で自動車業界の雇用が減るとの指摘もあがる。例えば、ドイツでは自動車用の内燃機関(エンジン)製造業界で60万人が働いているため、こうした人々が職を失うことになりかねない。
また、世界的なリチウム不足も問題となっているという。リチウムがなければ電気自動車のバッテリーの生産が追いつかない可能性がある。さらに、EU内では電気自動車用の充電スポットのインフラ整備が不十分など、課題は山積している。
世界的なエネルギー危機で欧州では「電気自動車は運用コストが安い」という環境活動家の主張や信頼性が失われた。その結果、欧州の中産階級は新車に手が出なくなり、古いガソリン車で道を走ることになると指摘されている。
スプートニクはこれまでに、ソニーとホンダが共同開発を進める「アフィーラ」について取り上げた。
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