地震学者でトルコ科学アカデミー教授のギョリュール氏は、2022年4月の時点で、2月6日にトルコ南東部で発生した地震の震源地を誤差数キロメートルという精度で予測していた。
ギョリュール氏によると、地震が発生すると、断層の一端でエネルギーが放出され、そのエネルギーの一部が断層のもう一端に伝わる。同氏は、トルコのテレビ局TGRTに対し「2月6日の地震の後、我々はアダナと南部ハタイで地震が起こる可能性があると警告していた。ビンギョルでは一部の地区を除いて、東アナトリア断層のエネルギーがすでに放出されている。アダナで地震が起きれば、エネルギーの大部分が放出され、断層の活動は『静まる』と私は予測する」と語った。
しかしながら、ギョリュール氏は、今後数年のうちにイスタンブールに地震の脅威が迫ってくると注意喚起し、それに備えて対策を講じるよう呼びかけた。
「2月6日に発生した地震は、トルコのアダナ、ビンギョル、キプロスに影響を及ぼす可能性がある。そこで地震が起きれば、東アナトリア断層は『眠りにつく』ことになるので、予告しておく必要がある」とギョリュール氏は述べた。
20日夜(日本時間21日未明)、トルコ南部のシリアとの国境近くでマグニチュード6.4とマグニチュード5.8の地震が相次いで発生した。震源はトルコ南部ハタイ県のアンタキヤから約9キロ、シリアのラタキアから約75キロの地点で、震源の深さは2キロと推定されている。最新の情報によると、3人が死亡、213人負傷となっている。
トルコでは6日、マグニチュード7.7の地震を2回観測。同国では1939年以来最大レベルのもので、隣国のシリアの複数の地域でも被害が報告された。その後、19日までに発生した余震の数が6000回を超えた。
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