中国、出生率向上へ必死の措置 遅すぎたか

人口高齢化を背景とした労働人口の減少は、まもなく中国の経済成長を脅かす恐れがあるため、中国当局は出生率を刺激する新たな方法を模索している。一方、提案された対策のうちのいくつかは、深刻な社会的議論を巻き起こしている。ニューヨーク・タイムズが報じた。
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同紙によると、日本、中国、韓国からロシア及びスウェーデンに至るまで、世界の多くの国が人口問題に直面した。これらの国では当局が給付金やその他の奨励策によって出生率の刺激を試み、これはある程度の効果を上げた。一方、中国の問題は、他の国よりも急速に高齢化が進んでいることにあるという。中国ではかつて導入された人口抑制を目的とした「一人っ子政策」が結果的に出生率の急激な低下を加速させた。そして、中国の若者は家族計画について他の国の同世代の人たちとは異なる見方をするようになったという。
中国共産党は2016年、「一人っ子政策」を廃止し、すべての夫婦に2人目の子どもを持つことを認め、さらに2021年には3人目を容認したが、今のところ目立った成果はない。
ニューヨーク・タイムズによると、中国では地方自治体も出生率向上のために独自のイニシアチブを発揮し始めた。その面積が中国で5番目に大きく、約8400万人が暮らす四川省は、子どもの数に関するすべての制限を撤廃するという大胆な措置を講じた。人数の上限なくすべての子どもの出生を登録できるようになり、親には出産保険や出産休暇の権利が与えられる。まさに革新的な措置となったのは、未婚者も子どもを登録できるようになったことだ。四川省では2023年2月、これまでは結婚しているカップルにしか認められていなかった特恵が未婚者にも提供されることが決まった。以前は独身女性が出産した場合、罰金が科された。しかし中国では現在、公的医療保険の適用範囲を体外受精を含む不妊治療にも拡大することが計画されている。ニューヨーク・タイムズによると、この目的のために、例えば多くの都市で人口増加を刺激するために大学生に対して精子提供が公式に呼びかけられている。
中国 2035年までに3人に1人が60歳以上に
一方、同紙によると、出生率の刺激を目的とした当局のこのような政策を支持しない人たちもいる。中国市民の大部分は、婚外子を法的に認めることに賛同していない。多くの人が、これによってモラルが低下し、愛人に子どもを産ませても男性は罰せられずにすむことを危惧しているという。
なお、大半の専門家は、出生率の全体的な低下は倫理的要因よりも経済的要因とより強く関連していると考えている。なぜなら中国は現在、世界で最も養育費が多くかかる国の1つとみなされているからだ。専門家たちは、政府は出生率を刺激するための措置を講じるのが遅すぎたと指摘している。専門家らは、中国の若者たちの間では将来子どもを育てながら年老いた親を経済的に支援し、さらには値上がりし続ける教育費、住宅費、医療費に対処しなければならないことについて不安が高まっているが、今となってはこの若者たちの不安を取り除くことはもはやできないとの見方を示している。
スプートニク通信は先に、中国では出生率を高めるために新婚夫婦に対して最大30日間の休暇が与えられる可能性があると報じた。
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