フォーマットと参加者
露GPシリーズは、国際スケート連盟(ISU)のGPと類似したものとなっている。各選手は6段階の予選大会に最大2回出場し、その結果をランキング化してファイナル出場者が決まった。ISUのGPとの違いは出場者数で、ISUが男女シングル各6人なのに対し、今大会は各12人となっている。
北京五輪の女子シングル露代表からは、ワリエワ選手のみの出場となっている。シェルバコワ選手は五輪後、2022年のチャンネル1杯のみの出場となっているほか、アレクサンドラ・トルソワ選手(18)はけがで出場を辞退している。
内容とISU・GPとの比較
露GPとISU・GPとの比較は避けては通れない。特にISU・GPの女子シングルは、露選手の不在でレベルが低下したと内容が批評されている。
今回のショートプログラム(SP)ではトリプルアクセルなど高難度の「ウルトラC」級の技を5人が予定。カミラ・ワリエワ(コーチ、エテリ・トゥトベリーゼ)、エリザベータ・トゥクタミシェワ(同、アレクセイ・ミーシン)、ソフィア・アカチエワ(同、エテリ・トゥトベリーゼ)、ソフィア・ムラヴィヨワ(同、エフゲニー・プルシェンコ)、アデリア・ペトロシャン(同、エテリ・トゥトベリーゼ)の各選手となっている。
ISU・GPでウルトラCを跳んだのは、4位となった日本の渡辺倫果選手(20)のみだった。渡辺選手はトリプルアクセルをSPで成功させ、フリースケーティング(FS)では回転不足となったものの、着氷した。優勝した日本の三原舞依選手(23)、米国のイザボ・レビト選手(16)、ベルギーのルナ・ヘンドリックス選手(23)はトリプルアクセル、4回転ジャンプのいずれも跳ばなかった。比較として2019年の前回大会では、紀平梨花選手(20)が、SPとFSで4回転サルコウ、2回のトリプルアクセルと今シーズンよりも多くのウルトラCを成功させている。
ロシア選手の復帰、待つべきか待たざるべきか
国際大会から排除されたものの、露フィギュアのスター選手らは座って何もしていないわけではない。昨年引退した羽生結弦選手のように、積極的にショーに出場している。五輪、世界選手権女王のアリーナ・ザギトワ、エフゲニア・メドベージェワ、シェルバコワ各選手らは広告の撮影に臨んだり、トルソワ選手は中国でのファン醸成に励んでいる。ワリエワ選手は大会に出続けてドーピング疑惑問題の裁定を待っている。
一方、露スケート連盟はせめて中立旗のもとでも選手らが出場できるよう求めて闘う姿勢をみせている。この問題は日本・埼玉で行われる世界選手権にあわせ、3月20、21日に開かれるISUの会議で議題にあがる予定だ。