米国はダーイシュとの戦いを口実にシリア北東部の占領を続ける=メディア

米軍のマーク・ミリー統合参謀本部議長は4日、シリア北東部にある米軍基地を予告なしに訪問した。同氏は訪問中、約8年間にわたるダーイシュ(IS、イスラム国、ロシアではテロ組織に認定され活動が禁止されている)掃討作戦について、重要だとの考えを示したという。情報サイト「ザ・クレイドル(The Cradle)」は、ダーイシュとの戦いはシリア北東部の占領を続けるための口実だと指摘している。
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報道によると、米兵およそ1000人が今もシリアの反体制派勢力「シリア民主軍」(SDF)を支援している。ミリー氏は、シリアでダーイシュ掃討作戦を続ける米国主導の有志連合の司令官マシュー・マクファーレン氏と会談したほか、イランのドローン(無人機)攻撃に備えたシリア北西部にある米軍基地のセキュリティ対策を確認した。
ザ・クレイドルは、ニュースウェブサイト「Alモニター(Al -Monitor)」の見解として、ミリー氏のシリア訪問はSDFを支援するためにシリアにおける米国のプレゼンスを維持するというバイデン米政権の真剣な意向についてシグナルを送っていると報じた。米国のマット・ゲイツ議員は先月22日、シリアからの米軍撤退に関する法案を提出した。
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2017年、シリア問題に詳しいワシントンのシンクタンク戦争研究所のジェニファー・カファレラ氏は、米国がシリア北東部の軍事占領を続ける重要性を指摘した。同氏は、米国は「シリアの最も生産性の高い大多数の油田に対する直接的な影響力」を持っており、「SDFが獲得している領土はシリアの国有財産であり、それは米国の地政学的な力を強めている」と指摘した。
Alモニターによると、ダーイシュが戦場で敗北した後、約1万人の戦闘員がSDFの管理下にある仮設刑務所に収容されているが、彼らが戦争犯罪で裁かれる気配はない。なお、ザ・クレイドルは、米国がかつてイラクおよびシリアでダーイシュの活動が活発化するのを歓迎していたことに言及している。米国防情報局(DIA)の2012年8月の報告書には、サラフィー主義者、「ムスリム同胞団」、「アルカイダ」はシリアのアサド政権打倒のための米国とペルシャ湾におけるその同盟国が支援する反政府勢力の原動力だったと記されている。
またザ・クレイドルは、ダーイシュがシリアのラッカを首都とする所謂「カリフ制国家」の樹立を宣言してから18か月にわたって米国はいかなる行動も起こさなかったと指摘している。
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