北極で戦えないNATO軍 米メディアが指摘

北大西洋条約機構(NATO)軍は北極での軍事行動に対応できる準備ができておらず、気候変動によって引き起こされた極度の気象条件下に適応できていない。米メディア「ブルームバーグ」が論説記事でこうした見方を示している。
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「ブルームバーグ」は、米国やカナダなどの北極圏の国々が工学上の問題に直面していると指摘。例えば米国防総省は、永久凍土と地下水の融解によって、燃料や補給に必要な道路や滑走路が損傷する可能性があると結論を出している。強い吹雪によってレーダーが正常に動かないということもあり得る。
また、武器や弾薬もこうした極限の気候に対応できていないと指摘されている。急激な気温の変化によって低体温症のリスクは増し、湿った雪は兵士の機動性を損ない、疲労感を促進するとしている。
北極圏で軍事力を増強するロシア それに追随しようとするNATO
一方、ノルウェーの砲兵大隊下士官のシンドレ・ハーゲンセン氏は、北極の気象条件下ではミスをする余地がないと指摘。「手袋をどこに置いたかや、様々な機器についた雪を、解けてから再び凍り付く前に掃除することなど、些細な事でも一つ一つに目を配らなくてはいけない」と述べている。
スプートニクはこれまでに、米国は大国間の新たな競争時代への準備ができておらず、兵器開発において中国やロシアに大きく遅れているとする米紙コラムニストの視点を取り上げた。そのなかでは、北極海における砕氷船の数でロシアが米国をリードしていると指摘されていた。
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