絵が描かれていたのはケント州のハーンベイにある、1529年建造の農家の廃屋。この建物は長い間、空き家状態で、バンクシーは窓のあった場所にはめ込まれた板の上に猫を連れた少年を描いた。作品はブリキの波板の間に描かれていたことから、それがあたかも子どもが開けたカーテンのように見える効果を発揮していた。
解体作業員は絵の作者を知らなかったとして、バンクシーの作品が破壊されたことに遺憾の意を表明した。バンクシ―が絵を自分の作品と認めたのは撤去後だったとニューヨーク・ポスト紙は報じている。
建物を取り壊した建設会社のジョージ・コードウェル広報担当者は、農場主は撤去作業を見守っていたものの、これがバンクシーのグラフィティとは知らなかったと明かしている。
ケント州では先月2月にも、マーゲート市にあるバンクシーの別の作品「バレンタイン用マスカラ」が憂き目にあった。移設を余儀なくされた。
この作品は、1950年代の主婦の風刺画を描いている。落書きは、家庭内暴力の問題に焦点を当てている。暴力を受け、目を腫らし、歯が折れた女性が夫を本物の大きな冷凍庫に「詰め込む」様子が描かれている。市当局は最初、冷凍庫を2度撤去してしまったが、最終的に地元のテーマパーク「ドリームランド」に作品を移した。
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