シリアの政治アナリストであるオサマ・ダヌラ氏は、ウクライナ軍に兵器を供与している北大西洋条約機構(NATO)加盟国の政府は、ウクライナ軍がイスラム教とその象徴を侮辱するような行為を大目にみていると指摘している。
「ウクライナ政権を直接的に味方する者の中には、自由主義や自由の旗印の下に、聖なる書物を冒涜する人々がいる。こういった行為はデンマークやスウェーデンで我々はすでに目にしている。また、かつては預言者の風刺画が描かれたことがあった。ウクライナもまた、宗教を利用して憎悪を煽っている」
イラン人弁護士で法律家のアリ・メールプール・ラシュケナリ氏は、今回の件に関して次のように述べている。
「この件は、ある見方では挑発であり、別の見方では相手側に対する意図的な侮辱行為だ。これは、敵を侮辱し屈辱を与えるという、ナチスが行った政策のやり方の1つだ。ファシストのドイツとイタリアの歴史の中には、このような戦術を多用した事例が数多く存在する」
ラシュケナリ氏によると、ウクライナ軍は、この行為によってイスラム教徒が特別軍事作戦への参加を拒むか、原理主義的な暴力行為を起こすことを想定していたという。
トルコの政治学者であり歴史学者のメフメト・ペリンチェク氏もコーラン焼却について以下のようにコメントしている。
「ウクライナ政権とそのネオナチ・イデオロギーはNATO戦線におけるツールであり、その戦略は他の文化や民族、他宗教の価値に対する傲慢と軽蔑に基づいている。従って、現在のウクライナ当局も同様のイデオロギー的アプローチを受け継いでいる。我々は米国が率いるNATOが、イラク、アフガニスタン、ベトナム、韓国などの他の民族の文化的、民族的、宗教的特徴に対して敵意を抱いているのを見てきたが、現在、同様の敵意がウクライナでもさまざまな形で表れている」
ペリンチェク氏は、NATOの戦略の一つは、民族や宗教を理由とする衝突に火をつけ、兄弟であるロシア人とウクライナ人を分断し、キリスト教徒とイスラム教徒を対立させ、地域と世界全体を混乱に陥れることであると指摘した。そして、今回のコーラン焼却事件は、まさにこの戦略の反映されたものであるという。