譚報道官は、AUKUSは史上初めて核保有国が原子力潜水艦に原子炉と兵器製造に用いることのできる高濃度ウランを核非保有国に手渡した初の例だと指摘している。
「核技術や核物質が拡散する大きなリスクが存在している、これは核不拡散条約の目的や趣旨を著しく損ない、世界の核不拡散体制にも影響を与えている」譚報道官はこう述べた。
譚報道官はまた、こうした協力が軍拡競争を煽る危険性も指摘している。
「地域の戦略的バランスが乱され、地域の諸国の安全が深刻に脅かされていることから、これが新たな軍拡競争につながる恐れがある」
譚報道官はまた、原子力潜水艦に関する3カ国の協力が地域の緊張を高めていると指摘し、3カ国は「アジア太平洋版NATOを創設して」おり、これがアジア太平洋地域の平和と安定に深刻な打撃を与えていることを、地域の多くの諸国が非常に憂慮していると述べた。
豪州、米国、英国は2021年9月、中国からの脅威を口実に用いて、AUKUSパートナーシップに合意。合意は豪州を原子力潜水艦で武装させることが目的だった。
AUKUS加盟3国の首脳らは3月27日、米カリフォルニア州サンディエゴで会談し、豪州に核装備のない原子力潜水艦とその製造技術を3段階方式で提供する計画を発表。特に米国は2030年代にバージニア級潜水艦をオーストラリアに3隻供給する計画だが、その際、5隻に増える可能性もある。潜水艦が豪州に売却されるまでは、米英の潜水艦が輪番で豪州に配備される。
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