筆者が参加した日は、日本語学科長のオリガ・リホレトワ准教授による地名学の講義では、日本にある難読地名や不思議な地名、同じ漢字でも何パターンも読み方があることが次々と紹介され、その多くは日本人でも読めないものだった。この講義は、もともと漢字をかなりのレベルまで理解していないと、その面白さがわからない内容だったため、参加者が笑うべきところで笑うのに驚いた。
ジャパンウィークの枠内で行われた地名学の講座
© 写真 : Japanese Club MGIMO
修士課程一年で国際ジャーナリズム専攻のコンスタンチンさんは「4年半日本語を勉強しています。一見単純に見える地名でも、そこに歴史があったりユーモアがあったりして、研究の対象になり得ることに驚きました。当て字という文化があることは知っていましたが、日本人の漢字の選び方は不思議だなと思いました」と感想を述べてくれた。
その他の日程では「日本政治の論理」や「日本の文化コード」、「宮崎駿のアニメから見る現代日本社会における親子関係」をテーマに講演が行われた。書道講座では初体験の人が多かったが、「春」を漢字で書くのにチャレンジし、初めてとは思えない出来栄えだった。
ジャパンウィークの枠内で行われた書道講座
© 写真 : Japanese Club MGIMO
ジャパンウィークを主催したMGIMO日本クラブの会長で、国際関係を専攻する修士一年のグリゴリー・グラチェフスキーさんは「毎回の講義の後に、参加者からとても良い評価を得ました。特にアニメから見る親子関係の回では、心理学的な要素も含まれ、アニメのあるシーンをどのように解釈するかということで、参加者の間で熱いディスカッションが交わされました。満足してもらえて良かったです」と振り返る。
学部時代はイタリア語をメインに日本語も勉強していたというグリゴリーさんだが、今では日本語をメインの外国語として学習している。「日本語は美しくメロディ的で、文法は論理的という、魅力的な言語です。将来のことはまだ考え中ですが、日本の会社とのビジネスや大使館での勤務など、何か日本と関係した仕事に就ければ」と話してくれた。
日本文化の研究者を目指しているという、日本クラブ副会長のワレリヤ・ヨルリコヴァさんは、「私たちの大学は、国際関係や外交といった分野に主眼が置かれているので、政治や歴史を研究している学生はたくさんいます。なので、そこに文化という視点をミックスできるよう、イベント開催の際は、日本文化に触れることを意識しています」と話す。日本クラブは、今後も映画上映や日露の学生によるカンファレンスなど、様々な催しを企画している。
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