異名「ロシアの水産加工場」
カムチャッカ地方はロシアの水産加工工場の名にふさわしい。極東においてもロシア全国レベルでもカムチャッカは漁獲量、水産加工ともに堂々たる首位を占めているからだ。カムチャッカ地方のウラジーミル・ソロドフ知事は大使、総領事らを前に演説し、次のように語っている。
「(カムチャッカ半島周辺の)海洋の稀有な可能性が新たな発展の展望を開いており、ユネスコの自然遺産にも登録されました。一度ここの自然に身を置いた人は家に帰る時は別人のようになりますよ。私たちはこれを誇りにしており、ロシア中と、世界中の人とこれを分かち合いたいと望んでいます。私たちにとっては人道的な分野で世界と結びつくことが大事です。私たちはロシアに立ちはだかる挑戦を理解しつつ、国際協力の拡大に邁進しています」
昨年2022年のカムチャッカ半島の漁獲高はロシア全土の480万トンに対し、140万トン。内訳はスケトウダラが72万3300トン、ニシンが13万4500トン、サケが6万2000トン、カレイが1万9000トンとなっている。輸出量の80%は中国、韓国、日本の3国が占めており、アラブ首長国連邦、フィリピン、アフリカが潜在的なパートナーとなっている。
自然の宝庫
カムチャッカ半島は活火山地帯に位置している。半島にある約300の火山のうち30が活火山で、これが科学的な研究にも観光面でもこの地域をユニークな存在にしている。カムチャッカの火山群は、ユネスコの世界自然遺産に登録されている。
ソロドフ知事は、美しい自然がある一方でカムチャッカ地方には厳しい自然条件がある点も強調している。
「2日前、カムチャッカは25年ぶりの大地震を経験しましたが、私たちは1人の犠牲者も1人の負傷者も出さずに済みました。カムチャッカは活発な地震活動でも他とは異なりますが、これが理由で発展速度が遅れるわけというわけではありません。一昨日に起きた強い地震(マグニチュード6.9)で損壊が起きなかったのは、建設時の安全要件がすべて順守されていたおかげです。カムチャッカを訪れる観光客の皆さんも、万一地震に遭われてもどうぞご安心ください」
観光客を惹きつけて止まない自然
カムチャッカの観光魅力について、セルゲイ・ラブロフ外相は次のように語っている。
「カムチャッカはエコロジー的に地球で最もクリーンな場所に数えられており、ロシアにとっては極東における重要な前哨基地です。半島の美しさは群を抜いています。これは私は幸運にも訪れたことがあるので断言できます。ここにしかない、自然の織り成す土地の起伏が観光産業が地域全体を発展させる強力なエンジンとなりつつあります。観光客数は年々増加し、カムチャッカも今や国際的な観光の中心地となっています」
2024年には、極東最大のペトロパブロフスク・カムチャツキーのエリゾヴォ空港に国際ターミナルが開設される。ソロドフ知事は直行便や定期便、チャーター便を増えることで観光客の流入の拡大を期待している。
「パンデミック前までは電子ビザが運用されていました。現在、大統領の指示を受けて、再びこの問題に取り組んでいます。夏までに完了することを期待しています」ソロドフ知事はこう語っている。