【視点】ロシア前経済相が語る 基軸通貨としてのドルは10年後どうなる?

基軸通貨が米ドルから各国通貨に緩やかに移行するプロセスは続いているが、世界的に見れば、これにはかなり長い時間がかかる。経済学者で、以前ロシアの財務相を務めたミハイル・ザドルノフ氏が、スプートニクにこのように語っている。
この記事をSputnikで読む
ザドルノフ氏によると、世界の金融システムが崩壊しつつあるのは、障壁が徐々にできているためだという。「通貨の移行」には10年かかり、その後で初めて、世界はこの変化の結果を目撃できるという。現時点では、米ドルがシェアを60%占めていると同氏は強調している。
欧米はロシアの金とエネルギーに制裁を課すことで、自らの死刑執行令状にサインした=米コラムニスト
同氏は、ある通貨と別の通貨のどちらが優位なのかは、商品の買い手と売り手のコストという一点だけで決まると説明している。自由に交換できる通貨であるドルやユーロで決済する場合のコストはわずかだ。一方で、非兌換通貨で決済する場合のコストは、不確実性があるため高くつくと同氏は指摘している。非兌換通貨には人民元などが含まれており、通貨別の取引比率においてこういった通貨が占める割合はたったの2%。
これよりも前、香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」は、中国が国際通貨システムにおける米ドルの優位性に挑戦していると報じた。
関連記事
ロシアの為替取引で中国元がドルを凌駕
各国がペトロダラーを放棄すれば米国は影響を受ける=米国の専門家
コメント