IT・科学

研究者がAIベースの電子病理医を開発

ドイツのマックスプランク光科学研究所(MPL)の研究者らは、訓練を受けた技術者がいなくても、がん患者の組織サンプル中の細胞を迅速かつ正確に分析できる人工知能(AI)ベースの電子病理医を開発した。この開発研究をまとめた論文が、学術誌「Nature Biomedical Engineering」に掲載されている。
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この新技術は、複数の段階からなる。まず、生検サンプルを人工組織破砕機を用いて細胞状態まで分離する。次に、これらの細胞をリアルタイムサイトメトリー(RT-DC)を用いて変形能を調べる。この方法では、1秒間で最大1000個の細胞の物理的特性を調べることができる。これは細胞の変形性を分析する従来法よりも3万6000倍速い方法だという。
この過程では、個々の細胞を顕微鏡のチャンネルに高速で押し出し、圧力下で変形すると、個々の細胞の画像を見ることができる。RT-DCでは、細胞の大きさや形など、他の物理的特性も決定できるため、従来の分析方法よりも優れている。
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最後の段階では、AIモデルがRT-DCによって生成された大規模なデータセットを評価し、生検サンプルに腫瘍組織が含まれているかどうかを迅速に判断する。サンプル処理と自動データ解析を含む手順全体は30分もかからず、手術中に完了できるという。
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