日本政府、「外交青書2023」を発表 南クリル諸島「不法占拠」と表現

日本の外務省は11日、2023年版外交青書(2022年1月1日から12月31日までの国際情勢と日本の外交活動を概観したもの)をまとめた。日本政府は、南クリル諸島(いわゆる「北方領土」)にまつわる項目で、「北方領土は日本が主権を有する島々であり、日本固有の領土であるが、現在ロシアに不法占拠されている」との表現を再び用いた。
この記事をSputnikで読む
外務省が発表した「外交青書2023」には「北方領土と平和条約締結交渉」にまつわる項目が設けられており、南クリル諸島についてこのように記載されている。

「日露関係にとって最大の懸案は北方領土問題である。北方領土は日本が主権を有する島々であり、日本固有の領土であるが、現在ロシアに不法占拠されている」

また、ロシア側が平和条約交渉を継続しないと決定したことについては「極めて不当であり、断じて受け入れられない」と明記されている。
中国、クリル諸島めぐる立場を「中立」に変更と日本メディア 公式発表はなし
一方、ウクライナ情勢を受けて「日露関係は厳しい状況にあり、今この時点では、平和条約交渉の展望について述べる状況にない」としながらも、「政府としては、領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持していく考えである」と強調されている。
北方墓参をはじめとした四島交流等事業の再開については「今後の日露関係の中でも最優先事項の一つである」とされ、「政府として一日も早く本件事業が再開できるような状況となることを強く期待している」と記されている。
なお、エネルギー分野については「石油・石炭を含め、ロシアのエネルギーへの依存をフェーズアウトすることとしている」としながら、ロシアにおける石油・天然ガス開発事業「サハリン1」、「サハリン2」については、「日本のエネルギー安全保障上重要なプロジェクトであり、権益を維持する方針である」と示されている。
関連ニュース
【視点】クリル諸島の経済特区 ロシアにとっては利益であり、日本にとっては不快な問題か
岸田政権は露日関係の肯定的成果を崩壊させた=ザハロワ報道官
コメント