戦争犯罪とその「価値ある」結果
ウクライナ領内で秘密裏に生物兵器を製造されたという証拠が新たに発見されたことは、米政権が日本の軍部指導者の犯罪を軽視し隠蔽する試みに関係したことと確かに関連性がある。
しかし、この裁判で重要人物が処罰されることはなかった。「ハバロフスク裁判」の前に、興味深い「方向転換」が起きたためだ。米軍司令部は捜査の過程で、日本の「死の工場」を組織した731部隊の石井四郎とその元同僚らに訴追免除を与え、機密情報になることを条件に、必要な情報をすべて彼らから得るべきとの結論に達した。こうして1947年6月末、石井とその部下らは行われた作業に関する詳細な報告書をまとめた。そこには、日本の細菌戦計画の中心人物であった19人の軍医が1カ月かけて作成した60ページの報告書の資料も含まれていた。このようにして、米軍は人体実験によって得られた独自の医療情報を手に入れたのだ。