「Ember」の報告書では次のように述べられている。
「世界の発電における太陽光・風力発電の割合は、2021年の10パーセントから、2022年には記録的な12パーセントに達した」
太陽光発電は24パーセント、風力発電は17パーセント、それぞれ前年より発電量が増加した。また、全ての再生可能エネルギーと原子力発電を含めた「環境にやさしい」発電の割合は39パーセントで、こちらも過去最高となった。
一方、昨年の発電による温室効果ガスなどの排出量は1.3パーセント上昇し、過去最大に達した。石炭の生産量は1.1パーセント上昇している。石炭火力発電の段階的縮小の傾向はあるものの、昨年はここ7年間で最も閉鎖された石炭火力発電所の数が少なかった。エネルギー危機を受け、各国が予備の発電方法の確保に動いたからだとされる。
天然ガスは価格の高騰から直近3年で2回目のマイナスに転じたが、0.2パーセントのわずかな減少だった。報告書では、化石燃料の発電割合が初めて下がるのは今年か来年になると予測している。
世界の発電による総排出量の3.8パーセントを占める日本は、人口や経済規模も大きく単純比較はできないが、太陽光・風力の割合は11パーセントと、世界平均にわずかに届かなかった。
昨年、日本における太陽光の発電量は前年比で約1割増え、全体に占める割合でみても総発電量の10パーセントとなっている。一方で風力発電の割合は0.9パーセントと、諸外国に比べて発展の遅れが指摘されている。
また、日本のエネルギー源別発電割合は次のようになっている。
化石燃料(71%)
石炭(33%)
ガス(34%)
その他(3.8%)
クリーンパワー(29%)
水力(7.4%)
原子力(5.4%)
バイオマス(4.6%)
太陽光(10%)
風力(0.9%)
その他再生可能エネルギー(0.3%)
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