元FBI捜査官 文書は米政権と打ち合わせの上、流出された可能性がある
元FBI捜査官のコリン・ローリー氏によると、文書はロシアを混乱させるために意図的に流出された可能性がある。同氏は、「一人の人間の行動による可能性もあるが、高レベルの承認、あるいは大統領であれば、たやすく起きる可能性がある」とスプートニクとのインタビューで述べている。さらに、この流出にはロシアを誤った方向に進ませるための偽情報が混ざっていた可能性もあるという。
また、以前中東地域で英国大使を務めたピーター・フォード氏によると、情報流出のもう一つの動機は、ウクライナ政府の能力に対する世間の認識が現実離れしているため、ウクライナの軍事的勝利に対する期待を下げるという米政権側の意図だった可能性がある。同氏は、米国はウクライナ軍に武器を大量に供与していることで、米国の武器備蓄はかなり枯渇していると指摘している。
文書の流出は国防総省の外部で起きたかもしれない
米Foxニュースが米国防総省と情報機関の関係者の話を引用したところによると、米国で流出した機密文書の中で、米国防総省が「機密性の高い極秘資料」と説明している一部の文書は、同省以外の場所から流出した可能性がある。同局によると、流出した文書の中には、米国防総省のどのブリーフィングにも一切含まれていない高度な機密情報がある。
そしてそういった情報は、中央情報局(CIA)と米国家安全保障局(NSA)が入手したものである可能性が高い。Foxニュースは、国防総省で働く人々がこのレベルの秘密の文書にアクセスすることは厳しく制限され、厳重に管理されていると指摘している。
20歳の軍事基地勤務の職員「OG」が米国の機密文書を公開
この情報漏洩について独自の調査を行った米紙「ワシントン・ポスト」は、米国防総省と米国の極秘情報資料の漏洩の背後に、Discordのチャットルームで「OG」という名前で登録された米軍基地の職員がいたと結論付けている。同紙によると、この説は、Discordチャットルームの参加者2人の証言に基づいている。このチャットルームには、極秘の情報文書が数ヶ月前から投稿されており、アクセスは厳格なチェックを受けた人にのみ許可されていた。
米国の機密文書が流出 問題の規模は?
ウクライナ紛争に関する機密文書が米国防総省から流出したと初めて報じられたのは、7日のこと。流出したファイルには、米国と北大西洋条約機構(NATO)がウクライナ軍を強化する計画に関する情報が含まれていた。同日、米連邦捜査局(FBI)は流出元を特定するための調査を開始した。
翌日には、中東や中国に関する情報、テロとの戦い、ウクライナ軍の状態に関する機密文書が新たに流出したことが分かった。NYTによると、この流出事件は米政権と同盟国の関係を複雑にさせ、「米国の秘密保持能力に対する疑念を植え付けた」という。
米紙「ワシントン・ポスト」は、米国の機密文書の流出事件が米国防総省でパニックを引き起こし、同省は「情報の伝達を制限する」という厳しい対応に出たと報じた。
関連ニュース