報道によると、容疑者はスパイ法と言われる法律に違反した疑いで起訴される見通し。このスパイ法は米国の国防に関わる機密文書の違法な回収、保管、引き渡しに対する責任を問うものとなっている。いずれの機密文書でも個別に起訴される可能性があり、それぞれの起訴で容疑者は懲役最大10年の有罪判決を言い渡される可能性がある 。
今回の流出ではどれほどの文書が機密扱いとなるかは定かでない。国防総省のパトリック・ライダー報道官は記者団に対し、機密文書の流出規模、及びその流出に伴う潜在的損失を評価しているとした。なお、情報流出については意図的なものだったと指摘している。
米CNNによると、容疑者は母親の自宅で拘束されたという。
政府消息筋によると、男は13日に出勤し、勤務先の部隊で拘束されるはずだったものの、自宅に留まったことから、連邦捜査局(FBI)の職員らが見張りを行っていたとのこと。男は拘束され、治安当局は現在、裁判所による逮捕状の発行を待っている。
容疑者は4月14日、マサチューセッツ州ボストン市の裁判所に出廷する見通し。
現在、治安当局が容疑者の自宅で家宅捜査を行っている。
米国の機密文書が流出 問題の規模は?
ウクライナ紛争に関する機密文書が米国防総省から流出したと初めて報じられたのは、7日のこと。流出したファイルには、米国と北大西洋条約機構(NATO)がウクライナ軍を強化する計画に関する情報が含まれていた。同日、米連邦捜査局(FBI)は流出元を特定するための調査を開始した。
翌日には、中東や中国に関する情報、テロとの戦い、ウクライナ軍の状態に関する機密文書が新たに流出したことが分かった。NYTによると、この流出事件は米政権と同盟国の関係を複雑にさせ、「米国の秘密保持能力に対する疑念を植え付けた」という。
米紙「ワシントン・ポスト」は、米国の機密文書の流出事件が米国防総省でパニックを引き起こし、同省は「情報の伝達を制限する」という厳しい対応に出たと報じた。
なお、今回の流出で拡散された米インテリジェンス・コミュニティの機密文書(2023年2月23日付け)には、仮にウクライナが欧米の兵器を使用してロシア領への攻撃を本格化する場合、民間物資を装った「飛行支援」の提供をロシアに対して段階的に行うことを中国共産党の中央軍事委員会が承認したとの諜報データも含まれている。
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