穀物だけじゃない ポーランドがEUにウクライナ産食品の輸入禁止品目の拡大を提案

ポーランド当局が欧州連合(EU)に対し、ウクライナ産穀物だけでなく、その他の食品もウクライナから輸入することを禁止にするよう提案した。ポーランドのラジオ局「RMF24」が20日、このように報じた。
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ポーランドのラジオ局「Polskie Radio 24」は19日、欧州委員会がウクラナ産の農産物4種(小麦、トウモロコシ、アブラナ、ヒマワリ)の輸入を禁止する用意があると報じた。しかしRMF24によると、ポーランド政府はこの提案の内容は不十分だとして、ウクライナ産果物、卵、鶏肉、砂糖、蜂蜜に輸入制限を課すことを提案しているという。
報道によると、ポーランドの提案が他の欧州各国に影響を与える可能性がある。特にブルガリアとハンガリーは、ウクライナ産の蜂蜜、油、多くの肉製品などの輸入を禁止し、ウクライナ産農産物の輸入禁止品目を拡大することを決定した。
この件は、EU加盟国の農相会合で議論される予定だという。合意に至らない場合、より高い政治レベルでの交渉が行われる可能性もありうる。
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ウクライナ政権の友は自分たちの敵

2022年、EUはウクライナ製品に対する輸入関税の1年間の撤廃を決定。陸上、河川を利用した交易ルートを開き、大量のウクライナ産農作物が欧州に流れ込むことになった。欧州委員会によると、EUの「連帯ライン」によってウクライナが5700万トンの農産物を欧州に輸出し、それに対してウクライナの生産者や事業者は約250億ユーロ(約3兆6900億円)を受け取った。
ウクライナ産農作物は世界市場に供給されると同時に、ウクライナの輸出を増やすことにつながると期待されていた。だが、実際には輸出されたものの多くはウクライナと国境を接するEU諸国に「定着」してしまい、結果的にこうした国で農作物の過剰供給価格崩壊を生み出してしまった。
さらに、ハンガリーの国家食品連鎖安全局は、ウクライナ産トウモロコシにマイコトキシンに汚染された事例がある他、複数のサンプルで遺伝子組み換え作物の陽性反応が出たと発表している。
ウクライナの隣国ポーランドやハンガリーは15日、地元の農家らの反発を背景に、穀物や乳製品、野菜、肉などのウクライナ産農作物の輸入を禁止。スロバキアも19日から同様の措置を開始した。EUの政策執行機関である欧州委員会はこの決定を「受け入れられない」と反発している。
19日、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が、ウクライナからEUへの農産物輸入をめぐる状況を解決するための3つの提案を準備したことが明らかになった。その提案の中には、最も影響を受けているEU加盟国の農家への援助を増やすこと、特定の種類の穀物に関する現行の貿易規制に対して予防措置を講じること、その他の食品に関する調査を実施することが含まれている。
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