「米ドルは基軸通貨としての地位の潰滅的な崩壊に見舞われた。そのプロセスは米国がドルに基づく国際金融システムに対する覇権を見せつけ、それをロシアに対して使うことを決めた後に加速した」ジェン氏はこう分析している。
ジェン氏によると、世界の準備通貨に占めるドルの割合は2001年の73%から2021年には55%にまで低下し、2022年にはすでに半分以下の47%にまで落ち込んだ。ジェン氏は、ドルがこれまでの予測よりもはるかに早く、世界の準備通貨としての地位を失いつつあることは明らかだと断言している。
ジェン氏は、ドルの力は現時点ではまだ残されていると見ている。ドルという通貨は便利で、国際金融と貿易で最も頻繁に使用されているからというのがその理由だが、かといって米国は、世界金融システムにおいてドルは常にナンバーワンだと安心すべきではない。ジェン氏は米国政府は世界の動きを現実的にとらえ、ドルの世界への影響力がこれ以上弱体化するのを避けるために、この先、大きな間違いを犯さないよう呼びかけている。
ポータル「Project Syndicate」も世界の準備通貨としてのドルの地位がますます怪しくなってきていると指摘している。専門家らは、将来、人民元がドルを抜いて世界の基軸通貨になる可能性を否定していない。
スプートニクはイエレン米財務長官が対露制裁が世界の基軸通貨としてのドルの強みにネガティブな影響を及ぼしていると認めたと報じている。