米国による対露制裁が世界の脱ドル化進めた=中国メディア

中国のテレビ局中国中央電視台(CCTV)オンライン版は、米国の対露制裁について、米国がロシア向けに用意した「金融爆弾」は世界で大きな反応を呼び起こし、それにより米ドルのシステムが脅威に晒されていると指摘している。
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国際金融システムからロシアを遮断した米国 自らドルを破滅の淵へ記事では「貿易における米国の地位の低下はグローバルな市場競争の発展の客観的な結果であるが、米国は圧力に屈して貿易保護主義を実践し、『反グローバル運動』を引き起こした」と記されている。
またCCTVは、国際貿易における米国の地位低下は、米ドルが絶対性を失ったことを意味し、また米国の保護主義的な措置は他の国々に米国通貨の使用を減少させていると指摘した上で、2017年に始まった世界のドル準備高の減少は「何の教訓も与えず」、自国の覇権体制に依拠する米国はさらにその行動を深化させ、金融システムを「武器」にしたと強調した。
米財務長官も認めた 経済制裁は米ドルの覇権にネガティブな影響
CCTVの記事ではさらに、2022年2月に米国がロシアの複数の銀行に対し、国際的な金融機関の決済システムであるSWIFTから排除したことについて触れ、この「金融爆弾」の打撃をもってしても、ロシア経済を崩壊させることはできなかったとし、ロシアはかなり以前から脱ドル化の準備していたと指摘した。
さらに、米国からの報復を恐れて公に行動することができなかった国々も、少なくとも次の2点を認識したという。一つは、ドル建ての資産は、米国がいつでも他の国に対する攻撃に使用することができる時限爆弾であるということ、そしてもう一つは、米国からの報復は耐えうるものだということだと記されている。
また、筆者は、結果的に、それらの国々は国の経済の安全を保障するため、自らの自治権を強め、資産の多角化を積極的に推し進めることになったと指摘し、「ドルを支持する『最後の層』は崩壊し、脱ドル化は地球全体を覆っている」と締めくくっている。
一方、これより前、ロシアのアレクサンドル・パンキン外務次官はスプートニク通信からの取材に対し、脱ドル化のプロセスはすでに始まっているとし、早晩、このドルの独占覇権体制は終焉を迎えるだろうとの考えを明らかにした。パンキン次官は「もちろんドルは世界経済において強いものであり、多くのものがドルに依存しているし、ドルは単なる金融の手段ではない」と指摘しつつ、しかし、一連の国々がドルによるリスクや危機感を抱えているのは事実だと強調した。
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