「ブルームバーグ」によると3月、国際貿易など中国の国境を超える決済において、人民元の使用割合は48パーセントになった。ほぼゼロだった2010年からわずか13年で約半分を占めるようになった。一方、当時83パーセントを占めていた米ドルの割合は今年3月時点で47パーセントに。中国貿易における米ドルと人民元の立場が初めて逆転した。
米DBS銀行のエコノミスト、クリス・リュン氏は、「各国がリスク分散のために代替の支払い手段を必要としているほか、米連邦準備制度(米中央銀行)の信頼がかつてほど高くないことを背景に、人民元の国際化が進んでいる」と指摘している。
国際貿易ではユーロ、ポンド、円など様々な通貨が使われているが、そのなかでも米ドルは圧倒的な位置を占めている。日本の税関の統計によると、2022年下半期の日本からの輸出は、米ドルでの決済の割合が51.9パーセント、円が34.5パーセント。日本への輸入は米ドルが72.6パーセント、円が21.4パーセントとなっている。
これまでに米財務省のジャネット・イエレン長官は、米国が他国に対して経済制裁を利用していることが災いして、米ドルが世界市場における覇権的な地位を失うリスクを冒している事実を認めている。
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