学者チームは、甘粛省にある石家(Shijia)遺跡の発掘調査中に穴を発見した。穴には5台の馬車が入っていた。そのうちの4台には、おとなの馬が2頭ずつつながれていた。また、その下には7人が埋葬された浅い墓もあった。これらは青銅器時代の末期、具体的には紀元前1000年の中ごろのものとみられている。
考古学者グループを率いたのは、中国・西安にある北西大学のリ・ユエ氏。学者グループの目的は、古代中国で馬車が使用された証拠の調査。
詳細な調査の結果、馬車につながれていたのは約9歳から12歳のおとなのオス馬だったことがわかった。学者たちは、馬の歯や骨が変形していたことから、役畜として使われていたと結論付けた。本来は馬車用の馬として飼育されていたが、埋葬の儀式のために使用された可能性が高いとみられている。
馬の歯や骨
© 写真 : Сhengrui Zhang et al. / Antiquity, 2023
学者チームによると、現代中国の領土では紀元前2000年末期に黄河沿いの低地で初めて馬が家畜化された。当時そこには商王朝があり、馬が埋葬の儀式で使用されるようになった。馬用に個別に穴が掘られ、馬車と一緒に入れられることもあれば、馬だけ入れられることもあったという。
一般的には、馬はもともと肉や乳をとるために家畜化されたと考えられている。一方、人類学者らは今年3月、すでに約5000年前に人々は馬に乗って移動していたようだとの結論に達した。
関連ニュース