日本の「国の借金」が1270兆円を突破 ネット上では「ミスリード」と批判も

日本の財務省は10日、国債残高や借入金、政府短期証券などのいわゆる「国の借金」が、1270兆円を超えたと発表した。日本の各メディアが伝えている。インターネット上では際限なく広がる政府の支出に懸念の声があがる一方、「国の借金」という表現自体が現実に即していないと日本メディアの報じ方を疑問視する声もあがる。
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共同通信によると、2023年5月3日時点での「国の借金」は、1270兆4990億円となっている。この数字は過去最大で、増加幅でもみても2022年度は約29兆円と、前年の約24兆円からペースが加速している。物価高や新型コロナウイルス対策への支出、それを賄う税収の不足などが相まって借金が膨らんでいる。
岸田政権は今後5年間で防衛費のGDP(国内総生産)比2パーセントまでの大幅拡大を目指しているほか、社会保障費も増加の一途をたどっており、「国の借金」は増える一方だ。これらを背景に、政府与党内では増税の議論が進められている。
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このニュースに対しインターネット上では様々なコメントがみられた。
最も多くみられたのは「国の借金」という表現に対する批判だった。「国じゃなくて政府の借金ね。あたかも国民がその借金を背負ってるような印象操作」「借金というマイナスな言い方は的を射ていない表現」とマスメディアの報じ方に異論を唱える声があがる。
日本の大手メディアでは、「政府」と「国」は同じ意味で使われることが多いが、「国」と書けば国民や民間部門も含めた国全体が借金をしているとの印象を受けると指摘されている。さらに、ほとんどの国債の購入者が日本国民、日本企業であることや日本が持つ資産に着目し、そもそも「借金」という表現自体がミスリードで、徒に不安を煽る報道だとする意見もある。
経済ブロガーの不破雷蔵さんは次のようにコメントしている。

「日本国債の約9割は日本国内で購入され、その額は日本国民の債権。さらに日本国債は円建て。日銀の利益のうち剰余金は準備金や出資者への配当に充当される分を除き、国民の財産として国庫に納付。この類の話ではバランスシート上の負債だけでなく資産も見る必要がある。なお日本の対外純資産は3.6兆ドルで世界第一位だ」

このほか、「1000万円の資産があって1000万円借金するのと、100万円の資産しかなくて1000万円借金するのは意味が違う」との指摘もあった。
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多くの人が「国の借金」が莫大な額に達しているとのニュースに対し、冷ややかな反応を見せている一方、政府の歳出増加に懸念を示すコメントもあった。日本総合研究所で上席主任研究員を務める石川智久氏は、「増税や社会保障負担増加などの現役世帯による負担増は限界に達しつつある。社会保障を中心に歳出構造を見直す必要がある」と指摘している。
ほかにも、「問題は毎年公表される借金よりお金の使い道。日本政府は使えないトマホーク購入や海外へのバラマキをやめて、どうせなら国内の老朽化した橋やトンネルや崖崩れなど危険な箇所や河川の治水対策に力を注いで欲しい」と支出先の精査を求める声もあった。
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