これよりも前の10日、プーチン大統領がCFE破棄に関する法案を下院に提出した。ロシア外務省のセルゲイ・リャブコフ次官は、欧米の破壊的な行動によって、ロシアがCFE条約に留まることが不可能になったと発表している。また、ロシアが同条約からの脱退を完了するには、約半年かかるという。
欧州通常戦力条約は1990年、フランスのパリで調印された。この条約は、戦車、装甲車、大砲、軍用機といった通常兵器の保有上限を定めたもの。その後の1999年、トルコのイスタンブールで開催された欧州安全保障協力機構で、同条約の改訂版が調印された。
改訂版に批准しているのは、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナの4カ国だけ。ロシアは2007年、「NATO加盟国が改訂版を批准し、誠実に条約の履行を開始するまで」同条約への参加を停止した。