最近では2023年5月4日にスペインの南にあるジブラルタル海峡でシャチの攻撃が記録された。攻撃を受けたヨットのスキッパー(船長)はYachtのインタビューに応じ、大きなシャチ1頭とそれよりも小さなシャチ2頭の計3頭が突然近づいてきたと語った。
「大きなシャチが数回後ろに下がって船に横から全力で体当たりしてきた。2頭の小さなシャチは大きなシャチの行動を見た後、少し助走をつけて同じようにヨットにぶつかってきた」
その結果、舵が壊れ、ヨットは航行を続けることができなくなった。スペインの沿岸警備隊が乗組員を救助し、ヨットをバルバテへ曳航したが、港の入り口付近で沈没した。Yachtが報じた。
その2日前には、6頭のシャチの群れがジブラルタル海峡で帆船を攻撃した。乗組員は、1頭の大きなシャチが船に体当たりして操縦不能にする様子を小さなシャチに見せていたことに注目した。この乗組員によると、シャチの母親が子どもに教えているように見えたという。
学者たちは、シャチの異常な行動に関心を示した。学者らは、シャチの攻撃対象となっているのは主に帆船であり、シャチは船尾から近づいてラダーを攻撃し、上手く船を止めることができたら興味を失うという明確なパターンがあることを明らかにした。観察の結果、学者らは、トラウマになる何らかの出来事が1頭のシャチの行動に変化を引き起こし、社会的学習の結果、他のシャチがこのシャチを真似するようになったのではないかと推測している。
論文著者の1人は「シャチは意図的に攻撃している。もちろん、この防御行動の原因や動機はわからない。しかし、これがトラウマに基づいていることがさらに明確になりつつある」と発表した。専門家らは、あるシャチが最初に船と衝突または密猟者の罠にかかるなど「重大な断末魔の苦しみの瞬間」を経験し、これによって「行動のスイッチが入った」との見方を示している。
スプートニク通信は先に、オーストラリア沖でロープに絡まったクジラをシャチが助けたと報じた。
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