工房は、人間や神聖な動物をミイラ化するために使用されていた。一つの工房は、紀元前380年から343年までのファラオ第30王朝のもので、もうひとつは紀元前305年から紀元後30年までのプトレマイオス朝の時代に使われていた。
ひとつの工房は人間のミイラを作るためのもので、長方形の形でいくつかの部屋に分かれている。部屋には長さ2メートルの石板が置かれ、その上で死者の体の防腐処理が行われていた。石板の大きさはそれぞれ長さは2メートル、幅は50センチ。また、工房からは、内臓を入れるためのカノプス壺や儀式用の容器の他、ミイラ化に使われた用具なども発見されている。
他の工房も構造としては似ているものの、こちらは神聖な動物をミイラ化するために使われており、人間の防腐処理室にあったものとは異なる形状の板が5枚見つかっている。
その他、見つかった墓は、ネ・ヘスット・バと呼ばれるエジプト古代王国の高官と、メン・ヘベルと呼ばれるエジプト新王国時代の神官のためのもので、ネ・ヘスット・バは紀元前2400年頃、第5王朝の時代に活躍したホルス神とマアト神の主席書記兼祭司で、メン・ヘベルは、紀元前1400年代の第18王朝に仕えた。
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