埋葬されていたのはヒト族の絶滅種ホモ・ナレディの骸骨数体で、ユネスコ世界遺産に指定の「南アフリカの人類化石遺跡群」、別名「人類のゆりかご」の洞窟の地下30メートルから発見された。
論文の筆者らは、「これは人類史上見つかった中では最も古い埋葬だ。穴は遺体を隠すために意図的に掘られ、その後埋め戻されたもので、少なくとも5体ある。発見は、埋葬の習慣がホモ・サピエンスや大型の脳を持った、他のヒト科に限られていたわけではなかったことを示している」と述べている。
これまでは、脳がより大きく発達することで死者を埋葬するという、複雑で「意味づけをする」行動がとられるようになったと考えられていたため、今回の発見は従来の人類の進化に関する理解を覆すかもしれない。ホモ・ナレディの脳はオレンジほどの大きさで、身長は約1.5メートルだった。
ホモ・ナレディが複雑な感情を持ち、認知行動をとることができたことを示すのは埋葬地に限らない。研究者らは、幾何学的な形を表す彫刻も発見している。
論文は「これは、象徴的な実践を発展させる上で人類だけが特異な存在ではないばかりか、その先駆者ですらなかったかもしれないことを意味している」と結論付けられている。
関連ニュース