これは、台湾海峡の危機的状況に備えて「連携を強化したい」という米国の意向を示すものである。スプートニクは専門家に取材し、米国の戦略とそれに対する中国の反応を検証した。
米国の戦略
ロシア国立研究大学経済高等学院付属総合欧州国際調査センターの国際軍事政策軍事経済問題部門を率いるプロホル・テビン氏はスプートニクからの取材に対し、米国の現在の戦略は、アジア太平洋地域における軍事パートナーシップと同盟協力のネットワークを最大限に拡大することを目的としていると語っている。テビン氏は、その目的には日米同盟からAUKUSまで、数多くの二国間および多国間同盟が列挙でき、米国と同盟国の交流はさらに拡大するとして、次のように語っている。
「こうした動きは欧州でもアジア太平洋地域でも進んでいる。偵察は海上に限らず、宇宙、地上、無線など、さまざまな分野に及んでいる。ポイントは、これら個々の要素をすべて統一のシステムとして、しかも多国籍レベルで結びつけることだ」
今の台湾海峡の両岸の関係に詳しい中国人コラムニストのビ・ディアンロン氏も同様の見解だ。ビ氏は、日米台湾は将来、データ交換の協力を深化し続けるだけでなく、司令や訓練システムという分野でも協調を強化しうると見ている。
「このほか、データ共有システムに韓国を入れる可能性もある。なぜなら韓国は中国大陸にさらに近く、米国の情報収集が非常に重要な役割を果たしうるからだ。韓国は、今の自国の立場を踏まえ、そのメリットを考えても、まだ「舞台には出て」いないのが実情だ」
中国の対応
テビン氏は、海上偵察用ドローンのデータ共有ネットワークの構築に対する中国の対応には次の2つの方法が考えられると語る。
「中国は自国のポテンシャルを向上させるだろう。中国は特定の分野でロシアと協力を拡大する。この地域の情勢はますます緊迫化するだろう。非常に深刻な地域問題は米中対立のほかにもあることを忘れてはならない」
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