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ロシア人科学者ら 人体組織の老化を遅らせる物質の合成に成功

ロシア科学アカデミー、シベリア支部、イルクーツク化学研究所は老化を遅らせることのできる物質の合成に成功した。新たな物質は心臓循環器病、がん、糖尿病、関節炎、アルツハイマー病、パーキンソン病の治療、予防薬を製造するために用いることができる。
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新たな化学合成は元素のセレンを主な材料として、試験管の中で誕生した。
科学者らによれば、人体には細胞の早期の老化から守る酵素グルタチオンペルオキシダーゼがある。この酵素はセレンにかなり依存しており、セレンがないと、酵素の抗酸化活動は低下する。
セレンは自然界には多く産出されない。ごくわずかに見つかるのはロシアの数か所の地域か、中国の北部。また食物を通して必要な量のセレンを摂取するのも簡単ではない。
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科学者たちが合成した物質を実験用マウスに投与したところ、マウスは、病原体と思われるものに対してより活発な免疫反応を示し、この際に合成物質が含有する抗酸化物質のおかげで体への負担が軽減されることがわかった。
研究者らは、この物質を使った薬は免疫の働きを上手に刺激し、同時に副作用を起こさないというダブル効果を発揮すると指摘している。この効果を利用すれば、少ない回数でワクチンの有効な投与が行える。
研究者のひとりは、この合成が将来、寿命を延ばすことのできる薬を安価で製造するために使われうると述べている。
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