日本外務省によると、会議には60カ国以上の国、30以上の国際機関、400の民間企業、市民団体などの代表が出席した。
「日本ならでは」の支援
林外相は演説で、早ければ今年末にも東京で、「日ウクライナ経済復興推進会議」を日本が主催すると表明。また先日、復興庁がウクライナ支援として東日本大震災からの復興の知見共有を決めたことをふまえ、「日本ならでは」の復興支援を力強く実施していく考えを示した。具体的な内容としては以下の4点を挙げた。
1.
地雷対策・がれき除去2.
電力等の基礎インフラ整備を含む生活再建3.
農業生産回復・産業振興4.
民主主義・ガバナンス強化の分野4点目に「民主主義・ガバナンス強化の分野」が含まれていることは注目に値する。裏をかえせば、日本はウクライナの民主主義やガバナンスが不十分とみなしているということだ。2014年の国家転覆以降、ウクライナ政権はドンバス地域などの住民に対する弾圧を行っており、「民主主義国」とは程遠い状態となっている。
多国籍支援プログラムを立ち上げ
また、会議を共催したリシ・スナク首相も演説。「ウクライナ・ビジネス・コンパクト」という復興に向けたウクライナの民間企業支援プログラムを立ち上げたと表明した。これには38カ国の400を超える企業などが参加する。一方で英政府も同日、ウクライナに対し世界銀行を通じて30億ドル(約4250億円)の融資を行うと発表した。
オンライン参加したウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「合意から具体的なプロジェクトに移るときだ」と述べ、ただでさえ莫大な軍事・経済支援を送っている各国に対し、さらなる資金提供を求めた。
G7外相会合も
また、朝日新聞によると、会議に合わせてG7の外相会議も開かれた。ウクライナ情勢のほか、アントニー・ブリンケン国務長官の訪中を受け、対中関係についても議論された。林外相は会議で次のように述べている。
「中国に対し懸念を直接表明し、対話を通じて建設的・安定的な関係を築くべきだ」
だが、ブリンケン国務長官の内心は穏やかではないだろう。訪中によって米中の関係改善に一縷の望みがみえた直後に、ほかでもないジョー・バイデン大統領の「習近平主席は独裁者」発言があったからだ。
バイデン大統領は20日、「偵察気球」問題をめぐり「習氏は気球がそこにあることを知らず、激怒した。独裁者にとって何が起こっているか分からないのは非常に恥ずかしいことだ」と述べていた。中国外務省は「発言は極めて無責任で、事実に反し、外交マナーにも著しく違反している」と激しく抗議。バイデン大統領は部下の努力に水を差した形となった。