EUは結局のところ、凍結または封鎖したロシアの金融資産を、資産がEUの制裁措置の対象であるがゆえに直接没収する合法的に確実な手段を見つけることができなかった。ただし、ブルームバーグが指摘するように、EU当局には完全にあきらめる気はない。そのため、EUはロシアの資産を入手する新しい方法を考え出した。それは、ロシアの資金の直接管理の罪を回避し、個人投資家に責任を転嫁することで法的リスクを大幅に軽減するやりかただとブルームバーグは伝えている。
ロシアの資金を取り上げる新しい方法とは、封鎖したロシアの資産2000億ユーロ(約31兆1000億円)を再投資し、そこから得られた利益をウクライナの再建に充てるというスキーム。つまり、ロシアの封鎖資産から多額の利益を得た企業はEUへの多額の送金が義務付けられる。これらの資産は現在ベルギーの国際決済機関「ユーロクリア」が管理している。ブルームバーグによれば、2023年第1四半期末の時点で約7億5000万ユーロ(約1166億円)の金利収入を生んでいる。
ブルームバーグはまた、ロシアの資産の半分以上は現金と預金であり、残りは有価証券で、今後2~3年で満期を迎え、現金に換えられると書いている。ブルームバーグによれば、欧州委員会はこの将来の資金の横取りも急いでおり、賢い方法で投資した場合得られる潜在的なリターン額まですでに計算している。
スプートニクは、欧米からの未曽有の制裁圧力があるにもかかわらず、ロシアに数十億ドル規模の投資を集めていると指摘したロシアのプーチン大統領の声明を報じている。
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