サイバー被害、官民で情報共有へ 政府検討、企業秘密の扱い懸念も

政府が、サイバー攻撃を受けた企業の被害情報を官民で共有する仕組み作りの検討に着手したことが22日、分かった。昨年改定した国家安全保障戦略に明記した「能動的サイバー防御」導入に向けた第一歩で、今夏をめどに論点をまとめる。攻撃に迅速に対処し、被害拡大を防ぐ狙い。ただ、民間側からは企業秘密が含まれるため政府に報告しづらいとの懸念も出ている。
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能動的サイバー防御は、重要インフラなどへのサイバー攻撃を未然に防ぐため相手側サーバーなどに侵入・無害化する能力を指す。憲法21条が定める「通信の秘密」や、電気通信事業法4条による秘密の保護を侵害する恐れがあるとされる。政府は論点整理を踏まえ、秋にも有識者会議を設置し、制度設計や法整備について協議する見通しだ。 経産省によると、サイバー攻撃の被害を受けた企業が公表に消極的なケースもあり、官民の情報共有は十分進んでいない。検討会では「政府に情報提供することに抵抗がある」との意見や、保守サービス業者との契約上、情報が秘密扱いで共有できないとの問題点が挙がった。
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