ルモンド紙によれば、今年2月に実施された国連代表によるグアンタナモ米軍収容所の視察は20年にもわたって拒否されつづけた国連の視察要請が初めて許可され、実現したもの。アオライン氏は視察報告書の中で、「受刑者に対するほぼ絶え間ない監視、独房からの強制退去、拘束手段の悪用、医療支援を受ける上での問題、稀にしか許可されない家族とのコンタクト、恣意的拘禁はグアンタナモでは公正な裁判を受ける権利が侵害され続けていることを示している」と記している。
ルモンド紙によれば、米国は「収容所の完全な閉鎖」を主張するアオライン氏の報告が出されるや否や、その中の「夥しい数のクレーム」に不服を示した。米国政府は、報告書の主張は「国連の公式的な立場を反映していない」と解釈し、グアンタナモの収容者は医療支援を受けており、家族と定期的に連絡が取れていると主張している。これに加え、国連人権理事会のミシェル・テイラー米大使は、米当局が「特別報告者に対するグアンタナモへの前例のない立ち入りを許可した」のは、まさに囚人が収容状況は良好だと確信していたからだと指摘した。
ルモンド紙は、キューバ南東部にある米軍グアンタナモ収容所について、2001年9月11日の同時多発テロ後、米国が開始した「対テロ戦争」で逮捕された人々を収容するために2002年に作られた事実を確認している。グアンタナモには最大800人の「戦争捕虜」が収容されていたが、そのほとんどは信憑性のある証拠もないまま投獄された。それ以来、この収容所は違法な拘束、人権侵害、拷問の象徴となった。
スプートニクは、国連の人権問題の専門家によるグアンタナモ収容所の初の視察にむけた準備作業について報じていた。
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