リトフキン氏によれば、西側の大砲は主に攻撃用で、発射の集中度の低い「遠征戦」を行うために作られているため、砲身が軽量で迅速に再配置が行えることが重要だったが、ロシアの大砲の目的はそれとは異なる。
「ロシアには極めて集中的な戦闘行為が行われていた大祖国戦争での経験がある。戦争終盤でベルリンを争奪する際、ソ連は戦線1キロあたり100基の兵器を配置した。それほど集中的な火力戦だったわけだ。このことから、ロシアでは前々から砲身は強靭な鋼鉄を用いて硬化させるという伝統が出来上がっている。アップテンポの砲撃に耐えられるように。そしてこれがウクライナで活かされているというわけだ」
リトフキン氏は、米国製の牽引式榴弾砲M777は射撃回数の多さには耐えられないと指摘する。
「現在、ウクライナは1日に1万1000から1万2000発を発射しているが、西側の榴弾砲でこんなアップテンポの射撃に耐えられる武器はない。欧米の武器はさっさと壊れてしまい、修理や交換が要される。西側はこれほどアップテンポの射撃を想定していない」リトフキン氏はこう述べた。
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