露財務省が12日付で発表した文書には、外国企業の撤退に関する条件、現地法人の株式売却などにかかる支払いや売却先の露企業の責務などについて詳細が定められている。
今回新たに加えられた条件で、撤退企業に関わるものとしては、将来買い戻す権利が最大2年に制限される点だ。言い換えれば、撤退の日から2年以内に市場価格で買い戻す権利を、売却時の契約に含めることができる。これまでにすでに撤退した企業に対してはこの規定は適用されない。
一方、撤退時の株式や資産売却で、最低でも市場価格の50パーセント以上の割引を求めるという以前からの条件は残された。このほか、撤退企業から株式や資産を購入した露企業が、一定の条件で取得株式の最大20パーセントを上場する規定や、割引を受けた分の追加徴税などのルールなどにも言及されている。
日本の市場調査会社「帝国データバンク」が今年2月に発表したレポートによると、これまでに日本企業の1割超がロシア市場からの撤退を決めている。G7(主要7カ国)で2番目、全世界でも19番目の低さとなっているが、西側諸国による対露制裁などでロシア事業の存続が難しくなっており、「日本企業の撤退は今後も進む」と指摘されている。
今月12日には、日本の大手トラックメーカー「いすゞ自動車」が、ロシアでの現地生産から撤退。現地法人「いすゞルス」を露自動車大手「ソラーズ」に売却した。ウリヤノフスク州にある「いすゞ」の工場は、昨年3月に部品調達が困難となり停止していた。ソラーズは自社工場として操業を再開し、200人の労働者の雇用を守る。
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