三井物産も「建設作業は順調に進捗している」と述べる通り、この日はロシア北部のムールマンスク州で生産ラインの開始式典が行われ、最初の生産ラインとなる重力着底型構造物(GBS)を、採掘地点であるヤマロ・ネネツ自治管区のギダン半島へ向けて送った。
生産ラインは三段階にわかれており、第一ラインの稼働は2023年の年末から2024年初頭にかけて、第二ラインは2024年、第三ラインは2026年を予定している。全て完成すれば年間1980万トンの生産が期待できる。
日露関係が悪化しても、日本にとってロシアのエネルギープロジェクトに参画し続ける重要性は大きい。6月30日に経済産業省が発表した「ウクライナ情勢に関する外国為替及び外国貿易法に基づく措置」の中で、日本は「建築及びエンジニアリング分野のサービス提供禁止措置」を実施しながらも、「サハリン1」「サハリン2」「アークティックLNG2」の各プロジェクトは、日本のエネルギー安全保障のため特に必要なものとして、措置の対象外となっている。
以前スプートニクのインタビューで、ポスト石油戦略研究所の大場紀章代表は「アークティックLNG2」について「日露で進めてきた非常に大きなプロジェクト。施工も日本のプラントメーカーだ。日本がここから撤退するのは、むしろ日本にとって大きな痛手になる」と述べていた。
また、ミケルソンCEOは日本との追加契約を検討していると言及したが、日本側は、現時点でそのような事実は認識していないとコメントしている。
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