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もう傷跡は残らない ロシアで昆虫の殻から創傷ドレッシングがつくられる

ロシアで甲殻類や昆虫の殻から得たキトサンをベースにした創傷ドレッシング(創傷被覆材)が開発された。この新しい創傷ドレッシングは、原則的に耐用期間をプログラムすることができ、跡を残さずにやけどや傷を治すことが可能。研究論文がPolymerBulletin誌に掲載された。
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創傷ドレッシングはやけどや傷の治療に使用されているが、定期的にチェックしたり交換しなければならなず、患者にとっては不便であり、痛みを伴う場合もあるほか、皮膚が再生された後の傷跡の形成にもつながる可能性があるとされる。
ヴォルゴグラード工科大学の研究チームは、キトサンフィルムをベースにした新たな創傷ドレッシングのサンプルを発表し、今回開発した生体高分子は任意の耐用期間にプログラムできると説明した。
そのため、このキトサンドレッシングは傷口に何度も塗る必要はなく、一度塗れば、完全に治るまで傷を覆うという。またポリマードレッシングは、組織の細胞が集まってくっつき、成長するためのプラットフォームとなるため、皮膚の損傷領域は傷跡を残さずに修復される。研究チームによると、昆虫の殻からつくられた創傷ドレッシングの利点は、その治療効果の持続期間の終わりに外科的介入を必要とせずに除去できること。
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ポリエチレンから医薬品を製造 革新技術開発
キトサンは、節足動物(甲殻類、昆虫、クモ類、カブトガニ類、多足類)の殻、真菌の細胞壁、ラン藻、一部の細菌に含まれるキチンから得られる天然多糖。これは環境に優しく、再生可能な生分解性ポリマーだ。
スプートニク通信は先に、戦場で傷口をバイオポリマーで手当てする「銃」がロシアで開発されたと報じた。
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