【視点】「防衛白書」 なぜ日本にはもはや平和主義は必要でないのか説明を迫られる

日本の防衛省は、防衛政策の理念を説明するため毎年刊行している「防衛白書」を発表した。その中では、ロシアは「ヨーロッパにとってもっとも深刻で、直接的な脅威である」と指摘されている。
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さらに、ロシアと中国の戦略的協力は、日本の安全保障という観点からの強い懸念を呼ぶものだとも記されている。
最新の「防衛白書」について、歴史博士で、東洋諸国研究所の教授で、大阪経済法科大学の客員教授でもあるアナトーリー・コーシキン氏に「スプートニク」がお話を伺った。
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コーシキン氏は、露中の協力に対する日本の懸念は何ら新しいものではないと指摘し、次のように述べている。

「こうした懸念は常にありました。とりわけ、近年、ロシアと中国が日本周辺で頻繁に合同軍事演習を行うようになってからは特にそうです。しかし、ロシアにも中国にも、日本に対して何ら攻撃的な意図がないのは明らかです。2カ国の軍事演習は、もはや平和主義というものが優先されない現在の日本の政策の結果に過ぎません。

逆に、現在、日本は軍事化の路線をとっており、軍事大国としての日本を再建しようとしています。そしてこの路線を米国は積極的に支持しています。米国は、軍事紛争においてロシアと中国が結束した場合、米国が厳しい立場に追い込まれることを理解しているからです。そこで、日本政府は、この地域でのアジア版NATOの創設を含めた米国の戦略に従っています。

加えて、ロシアと中国の間での軍事同盟に関する話は現在、出ていません。とはいえ、ロシアは実際、ウクライナ情勢を踏まえ、極東で、ロシアに対抗するためのいわゆる『第二戦線』を作ろうという米国と欧州諸国の計画には懸念を抱いています」。

アナトーリー・コーシキン氏
専門家
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一方で、これらすべての計画は、世界を、米国とロシアとの直接対決という危険な境界線に近づけるものだとコーシキン氏は指摘している。

「毎日新聞が最近、ウクライナへのクラスター爆弾の供与に対し、米国のバイデン大統領を批判した(これは非常に珍しいことである)のは注目に値します。この爆弾は、兵士や兵器だけでなく、民間人にも被害を与える真の大量破壊兵器であるからです。これは非人間的で、非人道的な武器であり、米国のみならず、その同盟国のイメージにも疑問を生じさせるものです。そしてもちろん日本は米国のもっとも近しい、そしてもっとも誠実な軍事同盟国の一つです」。

アナトーリー・コーシキン氏
専門家
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