中国外務省は声明で、次のように発表した。
「中国とロシアは、科学技術と原子力安全分野の先駆的な国際慣習に即して、福島第一原発からの(編注:処理水)放出計画に関する3点の技術的問題についての共同質問状を日本側に送った」
また、中国は科学と事実に基づいて日本に対して懸念を表明していると主張している。
日本政府は8月下旬から9月前半の間に処理水の海洋放出を開始する方針だ。8月18日の日米韓首脳会談で岸田首相からバイデン、尹両大統領に説明したあとに、最終決定する見込み。
各国のこれまでの反応
先月4日、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長が来日し、処理水放出計画は「国際的な安全基準と一致し、人や環境への影響はごくわずか」と評価した報告書を岸田文雄首相に手渡した。
これまでに韓国政府はIAEAの評価に理解を示しているが、中国は報告書が「海洋放出への通行証とはならない」と強く反発している。一方、日本の松野博一官房長官は同月6日の会見で、処理水に含まれるトリチウムの年間放出量は、中韓両国を含む海外の多くの原発に比べて低い水準だと指摘した。
ロシア外務省のマリア・ザハロワ報道官は放出計画について、日本側は安全を主張しているものの、東京電力の隠蔽体質を考慮すると「言葉通りには信じられない」との見解を示している。ロシア側は放出が実施される海域での各国による独自の放射線モニタリングの機会や、処理水のサンプルを提供するなど、積極的な情報開示を日本側に求めている。
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