ポーランドのウッチ市医科大学のマツェイ・バナフ教授が率いるグループはウォーキングの歩数と死亡リスクの関係について調べた17の学術調査のデータを分析した。合計で男女合わせておよそ22万7000人(平均年齢64歳)の被験者のウォーキングの歩数と心臓血管系の病気やその他の病による死亡リスクの関係が詳しく調べられた結果、相関関係は認められたものの、因果関係は確認できなかった。
調査では1日の平均歩数が500歩増えた場合、心臓血管系の病による死亡リスクは7%下がり、1000歩増えると同様の病による死亡リスクは15%減少していることが示された。一方でウォーキングによる効果が発生するのは以前に考えられていたよりもずっと少ない歩数であることがわかった。
種類を問わず、あらゆる病気による死亡リスクの明確な減少が始まるのは1日3967歩からで、循環器系の病いによる死亡リスクの減少が認められるのはそれよりも少ない2337歩からだった。しかも死亡リスクの減少効果がより目覚しく出ているのが60歳未満の人達で、毎日7000~1万3000歩を歩くことで死亡リスクは49%も下がることがわかった。60歳以上の人は6000~1万歩のウォーキングで死亡リスクは42%下がることが明らかにされている。
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