ホワイトハウスが公表した文書によると、追加予算には「ウクライナと国際ニーズ」という独立した項目があり、これにはウクライナ政権に対する240億ドルの軍事、財政、人道支援が含まれる。
このほか、別の項目として「国境と移民」の問題にも追加予算を要求した。40億ドルが国内の治安機関や国務省など省庁への割り当てられ、不法移民対策やシェルターの展開などに利用される。また、災害対応として120億ドルも支出する。これら国内問題に割り当てる予算は計160億ドルで、ウクライナ支援予算の3分の2程度となっている。
米紙「ヒル」は、議会では「ウクライナ支援に対する超党派の広範な支持がある一方で、一部の共和党議員は終わりの見えない紛争のためにウクライナに追加資金を提供することに懸念を表明している」と指摘。ねじれ議会となるなか、特に野党・共和党が多数派を占める下院で議員らを説得できるかどうかが鍵となる。
ロシアの研究機関「米・カナダ研究所」のウラジーミル・ワシリエフ主任研究員は「バイデンが米国の実権を握っている限り、支援は続くだろう」と話す。与党・民主党左派には巨額のウクライナ支援に反対する議員もいるが、共和党の一部は無条件にウクライナ支援を支持する立場を示しているため、成立する公算だという。
一方、240億ドルという法外な額についてワシリエフ氏は、バイデン大統領が議会から満額回答を得られるわけではないと悟っている可能性があると指摘する。
「これは純粋なアメリカントリックだ。200億ドルの予算を取るために250億ドル要求する。恐らくは議会が減額することを見込んで計画を進めているのだろう」
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