堂々たる世界最大の供給国 ロシア産ウラン輸入の回避を図る米国の試みは全て失敗

西側諸国は今、濃縮ウランの最大の生産国であるロシアへの依存度を下げるために、ウラン供給の多元化を図ろうと必死だ。ブルームバーグによれば、ロシアのウランは国際供給のおよそ半分をカバーしている。ところがロシア産ウランと手を切ろうとする米国の試みは今のところ全てが失敗に終わっている。
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ブルームバーグによれば、ロシア国営企業「ロスアトム」は依然として米国の92基の原子炉のうちほぼ4分の1と欧州、アジアの数十の原子炉にウランを供給し続けている。まさにこの理由から欧米の政府は「ロスアトム」に対する制裁発動を行っていない。制裁に踏み切れば、ロシア経済に損害を与えるよりも、自国の原子力産業と経済が多大な損害を被るリスクがあるからだ。
米国で開発中の小型原子炉、ロシア産ウランへの完全な依存に直面か
ロシア産ウランの供給が減れば米国のエネルギー安全保障は直接的な影響を蒙るのは間違いない。なぜならば米国が保有していた、ケンタッキー州にあった最後の民営のウラン濃縮工場は2013年に閉鎖しているからだ。ブルームバーグは、米国はウラン生産拠点を失っただけでなく、日本の福島第一原発事故後に社会に生じた「原子力エネルギーへの嫌悪感」は未だに色濃く残っていると指摘している。
今、米国は企業の生産力を拡大する可能性を模索しているが、そのためには大規模投資後に売り上げを保証できる長期契約が必要となる。
スプートニクが米国統計局の最新データに基づいて試算したところ、米国が2023年上半期にロシアから購入したウランの量は416トンに達することが分かった。この量は前年2022年の同時期の2.2倍であり、2005年以来の最高額となっている。2023年上半期のロシアからのウラン輸入に対して米国が支払った額は2002年以来の最高額の6億9650万ドル(およそ1000億円)。(2002年以前の月ごとの統計は存在していない)
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