「鉄の人間」
スダリコワ氏は、技術の発展に伴い人類は弱くなっていると考えている。人々は動くことが少なくなり、関節が退化している。長時間にわたるパソコン作業は視力低下につながる。一般に、文化が複雑化する過程で人は祖先から受け継いだたくさんの大切な身体的特性を失う。一方、人々はコンタクトレンズや歯科用インプラント、3Dプリントした心臓弁などの人工材料を使ってそれらを取り戻すことを学んだ。スダリコワ氏はこのように指摘している。
一方、スダリコワ氏は、人間の臓器をすべて置き換えて脳だけ残した場合、それは依然として人間なのか、それともすでに人間ではないのだろうかと問いかけている。同氏は、おそらく人間ではないと主張する。なぜなら臓器が置き換えられた「鉄の人間」は受容器を使うことができず、感覚器官の助けを借りて外部情報を受け取ることができなくなるからだ。スダリコワ氏は、その結果、脳はデジタルメカニズムへの移行を余儀なくされ、これはもはや人間の思考とみなすことはできないと結論付けている。
「デザイナーベビー」
スダリコワ氏は、将来的に遺伝子工学の発展が大きな重要性を持つと考えている。その結果、容姿や性格の特徴がプログラムされ、恐ろしい伝染病と戦うのに役立つ免疫力が強化された子どもたちが誕生する。学者たちはそのような設計された子どもを「デザイナーベビー」と呼んでいる。
スダリコワ氏によると、もちろん遺伝子操作は一連の倫理的問題を提起するが、家族は彼らが属する社会で成功するのに役立つ特徴を持った健康な子どもが生まれるという保証を得る。
深宇宙へ飛び立つのは誰か?
スダリコワ氏は、人間が深宇宙や深海に進出するためには、その体の根本的な改善が必要だと強調している。ここではバイオテクノロジーが役立つ。これは初めに治療として使用することができ、その後は人間の体全体の改善を可能にするという。
スダリコワ氏によると、現在のテンポで遺伝子工学とバイオテクノロジーが発展した場合、極限環境でも生存できる完全なサイボーグが200~300年後にも出現する可能性がある。そのようなサイボーグは、圧力によっても温度によっても放射線によっても故障することはない。なおスダリコワ氏は、世界の大多数の国ではそのような技術の発展が法律のレベルで制限されているため、まずは倫理的な問題を解決する必要があると指摘している。
米テスラ社を率いるイーロン・マスク氏は今年7月、将来的にテスラは脳に埋め込まれたチップを使って操作するロボット義肢の製作に取り組む可能性があると発表した。
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