バイカル湖岸鉄道の建設が開始されたのは1899年。1905年に全面開通し、当時の路線の全長は260キロだった。41のトンネルに470の橋、6つの高架橋などが建設されたが、1950年代にイルクーツク水力発電所が建設されたことで路線の一部は水没し、鉄道も衰退の一途をたどった。
現在、全長89キロの路線には38のトンネル(最長777メートル)に248の橋と高架橋、268の擁壁がある。1982年にはその歴史的・文化的価値の高さが認められ、バイカル湖岸の区域が建築・景観保護地域に指定され、国の保護の下に入った。
鉄道は1996年にユネスコ世界自然遺産に認定された沿バイカル国立公園内にある。路線にはディーゼル機関車のほか観光列車が定期的に運行しており、観光客は4時間半ほどかけて路線を巡ることができる。