IT・科学

生物工学者、「太平洋ゴミベルト」のごみを除去するために遺伝子組み換え微生物をつくる

米ノースカロライナ大学の研究チームは、プラスチックごみを世界の海から除去するための一歩を踏み出した。生物工学者たちが集まる究チームは、塩水中でプラスチックを分解できる遺伝子組み換え微生物を「設計」した。研究論文がAmerican Institute of Chemical Engineers Journal (AIChE Journal)に掲載された。
この記事をSputnikで読む
研究チームによると、世界の海には170兆個以上のプラスチック粒子が漂っており、その重量は合わせて200万トンを超える。悪名高い「太平洋ゴミベルト」は、北太平洋海流などによって運ばれるプラスチックなどの世界最大のごみ集積地。
この問題の解決策に、ノースカロライナ大学の研究チームが乗り出した。研究チームは、遺伝子工学を用いてポリエチレンテレフタレート(PET)を分解できる細菌をつくった。PETはボトルから衣類まで幅広い製品に使用されている一般的な種類のプラスチック。
IT・科学
水中のナノサイズのプラごみを数秒で検出 韓国人科学者が装置を開発
研究チームは、塩水中で急速に増殖するVibrio natriegens種の細菌と、酵素を用いてPETを分解し、それを餌とするIdeonella sakaiensis種の細菌を使った。Ideonella sakaiensisの遺伝子をVibrio natriegensに導入することによって、驚くべき成果が得られた。遺伝子操作された Vibrio natriegensは、摂氏30度の塩水中でPETを分解することができた。
研究チームによると、彼らがつくった細菌は、塩水中でプラスチックを分解できる初めての知られている遺伝子組み換え生物となった。
関連記事
台湾でごみの不法投棄対策に「神様」が参戦
ポリエチレンから医薬品を製造 革新技術開発
コメント