サックス氏はSNS「X(旧ツイッター)」に投降した記事で、ウクライナの反転攻勢は当初掲げた目標を達成できていないと指摘。昨年4月のイスタンブルで行われた停戦協議では、ウクライナは合意の用意があったのに西側諸国が受け入れなかったため交渉決裂となったと持論を展開した。
また、サックス氏は元米陸軍将校デビッド・ペイン氏の記事を引用し、「ウクライナ軍が反攻で獲得した領土(青色の部分)は、地図上では殆ど分からない程微々たるものだ」と地図とともに説明した。
マスク氏はこれに返信する形でコメントした。
「このわずかな結果のために、これまでに多くの死が」
マスク氏はこれまでにもサックス氏のこの記事に反応している。サックス氏はアフガニスタンを引き合いに出し、米政権がウクライナでも同じような失敗を犯そうとしていると警鐘を鳴らしているが、これに対しマスク氏は「よく言った」とコメントし賛同している。
露国防省によると、反転攻勢開始から3ヶ月あまりで、ウクライナ側は7万人の兵力と1万8000の軍事装備を失っている。
紛争激化を阻止
マスク氏が所有する民間宇宙開発企業スペースX社の衛星インターネット通信「スターリンク」を巡ってはこのごろ、クリミア半島での通信をマスク氏が制限してウクライナによるロシア海軍への攻撃を妨害したと報じられた。
これについてマスク氏は、そもそもクリミア半島付近でサービスは行っていなかったとしたうえで、「スターリンクを作動させてほしいとウクライナから緊急要請があったが、ロシア艦隊を撃沈するのが目的だったことは間違いない。もし私が彼らの要求に同意していたら、スペースXは紛争激化の共犯者になっていただろう」と断ったことを明かしている。
これを受け米上院の軍委員会は、米国防総省ではなくマスク氏に決定権があることを問題視し、調査を進めている。
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