埼玉県を流れる河川
日本には2万本を超す河川が流れている。そのうち埼玉県を流れる河川は6本。利根川は支流の渡良瀬川、烏川、神流川とともに利根川水系を成し、荒川は中川を支流としている。水域には肥沃な土壌が形成されるため、河川域には極めて多種多様な植物、動物相が見られ、美しい風景は眼を和ませてくれる。船での川下りや河川敷の散策は小さな家族旅行には理想的で、満足感を与えてくれる。
埼玉の最大河川
埼玉の最大河川は利根川だ。全長は322キロの利根川は日本で2番目に長い川であり、流域面積では1番目である。氾濫時の利根川の様子はエジプトのナイル川に匹敵する。 驚くことに、東京都の飲料水の約75%は利根川から取水されている。 埼玉県で2番目に長い荒川は全長173キロ。県内の山の斜面に発する水源から、やがて東京湾へと注ぎこむ。埼玉県の御成橋で荒川の川幅は2537メートルにまで広がり、日本一広い川となる。
埼玉の河川が織りなす自然美
埼玉県は海に面していない、いわゆる「海なし県」だが、その代わりに潤いに満ちた渓谷は四季折々に美しい。春になると、埼玉丘陵から走り流れる川や小川の岩場は野生のツツジの赤や紫の絨毯に覆われ、木々の根元には黄色の菜の花が陽の光よりも鮮やかに咲き誇る。
しかし何といっても春の美しさは、川沿いの公園や路地に咲く桜が醸す白や桃色の雲が勝る。埼玉の美しい山間の川は急流を成し、滝へと変わり、そして静かな川淵や湖を湛える水となる。その水辺には、夏、セミが鳴き声が響き渡る。秋になると、埼玉県の丘や谷は緋色のモミジで燃え上がり、その美しさは川面に鏡のように映し出される。秋の華やかな色彩は次第に冬の落ち着いたセピア色へと変わっていく。冬の川の輪郭はまるで古いモノクロ写真を覗き込んでいるかのように、風景の中にくっきりと浮かび上がってくる。
埼玉県の川岸の人気のレジャースポット
埼玉県を流れる瑠璃色の川が魅了するのは、美しい景色を愛する人だけではない。レジャー愛好家も多く惹き寄せている。例えば、荒川のほとりの小さな町、長瀞はまるでアクティブな休日を過ごすためにわざわざ作られたかのようだ。長瀞では通りを散策したり、森に覆われた山々を眺めたり、レンタル自転車に乗って公園を走ったり、風光明媚な場所でピクニックを楽しむことができる。また、静かで落ち着いた場所が好きな人は長瀞渓谷に足を運ぶといい。白亜紀のレリーフが今に残る場所にたたずめば、悠久の時間を感じることができる。
ときがわ町の三波渓谷
三波渓谷
© 写真 : 埼玉県ときがわ町 – 三波渓谷
こじんまりとしたときがわ町は新鮮な山の空気と満天の星空で人気。緑に覆われた山を水晶のように澄んだ水を湛えた都幾川が流れ、川遊びにも釣りにももってこいだ。その都幾川の上流にある三波渓谷は真夏の暑い日でも涼しい。三波渓谷も含まれる埼玉渓は、頭上に御荷鉾緑色岩の風光明媚な大岩が張り出していて、岩陰が訪れる人を太陽から遮ってくれているからだ。三波渓谷は自然が長い歳月をかけて生みだした。そして今や埼玉の観光スポットとして、観光客の目を楽しませてくれている。渓谷近くの駐車場の料金は当地の手つかずの環境を保護するために使われている。
かわせみ河原
寄居町を流れる荒川の支流、かわせみ河原のキャンプ場ではバーベキュー、カヌーなど、快適なアウトドアライフを満喫できる。カヌーなどのレジャーは一年中、楽しむことができる。キャンプ場は週末や祝日は混み合うが、平日は静かにくつろげる。
荒川運動公園バーベキュー広場
埼玉県には川沿いに敷設されているキャンプ場、バーベキュー場が多い。荒川運動公園バーベキュー広場もそのひとつだ。友達とも、子連れでも、愛犬を連れてでも利用でき、しかも費用は一切かからない。バーベキュー場は多くが屋根付きなので、雨が降っても川岸のピクニックが楽しめる。着火用燃料など、バーベキューに必要なものはすべてレンタルが可能。
釣り人を惹きつける奥秩父山地の渓流
埼玉県西部は、奥秩父山地のエリアを含む甲武信ユネスコエコパークに覆われている。このエコパークは稀有な動植物相がある土地としてユネスコの自然遺産に埼玉の名所として登録された。特に中津川渓流は釣りの人気スポットで、500メートル以上の流れが釣り愛好家のために確保されている。ここでは、美しい山の景色を背景に、無料釣り場を利用したり、山からの急流で水しぶきを上げながら川遊びに興じることができる。
たいら栗園
たいら栗園
© 写真 : Social media page of たいら栗園
埼玉県の奥武蔵の山の斜面の渓流沿いにある平(たいら)栗園。ここではジャガイモ掘り、熟したブルーベリー摘み、栗拾いが楽しめる。ここでは一年中、おいしいレジャーが楽しめる。川を見渡せるバーベキュー場や本格的な石窯もあり、農園で収穫された農産物を使ってオリジナルのピザを作ることができる。
名栗川ゆのた
名栗川ゆのた
© 写真 : Social media page of yunota7
名栗川ゆのたは飯能市に近い名栗川のほとりにあり、埼玉県内でも有数のバーベキュー・スペースとして知られている。 河原でバーベキューを楽しむための道具もレンタルできる。川岸を少し行くと、人里離れたところにひっそりと風光明媚な釣りスポットがあり、釣り竿もレンタルできる。ゆのたの景勝を背景にしたフォトセッション、セルフィ―には最高。
フォレストサンズ長瀞
フォレストサンズ長瀞
© 写真 : Social media page of forestsons.nagatoro
フォレストサンズ長瀞は完全にアメリカ様式のオートキャンプ場。
テントグラウンドは山間の小さな川のほとりにあり、水浴びを楽しんだり、釣りをしたり、流れの速い川で舟遊びをしたり、土手でバーベキューができる。雨天時には広々としたトレーラーに避難もできる。キャンプ場の外は美しい森林公園に囲まれており、花摘みや昆虫採集もできる。フォレストサンズ長瀞に宿泊するとキャンプ場から車で15分の温泉を無料で利用できる券がもらえる。
せせらぎキャンプ場
埼玉オートキャンプ場せせらぎは、名栗川のせせらぎや鳥のさえずり、虫の声に完全に没入し、心からゆっくりできる場所だ。静かな休日を約束してくれる。川にはたくさんの浅瀬があるため、子供たちも安心して水遊びができる。木造のバンガローも利用できる。大きさも値段も様々で、休暇に合わせて選ぶことができる。キャンプができるのは家族連れか子どものグループに限定されている。せせらぎキャンプ場は飲酒は禁止。
木の村キャンプ場
ときがわ町の木の村キャンプ場は町の中心部に近いロケーションにもかかわらず、自然の宝庫だ。キャンプ場は川沿いにあり、訪れる人はときがわの速く澄んだ流れに涼み、新鮮な空気を胸いっぱいに味わえる。川岸にうっそうと茂った草木は花の香りで空気を満たしてくれる。ヤマメや岩魚が多く、渓流釣りを楽しめる。川岸ではボール遊びをしたり、泳いだり、バーベキューをすることもできる。
炊事場、シャワー、トイレなどの設備も完備され、安心してキャンプを楽しむことができる。
長瀞オートキャンプ場
長瀞市は荒川のほとりに位置する。長瀞の美しい自然を楽しもうと国内外から多くの観光客が訪れる。家族連れでも楽しめる大きなキャンプ場が完備されている。
月川荘キャンプ場
月川荘キャンプ場は嵐山渓谷にあるソロキャンプ場。エメラルド色に輝く槻川で泳いだ後は、土手の上でバーベキューができる。キャンプ場を囲む絶景の落葉樹林は、特に秋になると木々の葉が黄金色、銅色に輝くのが印象的。ここは写真や映画の撮影にもよく使われる。
川での安全ルール
川辺のレジャーは、自分も怪我をせず、川にも害を与えないようにルールを守らなければならない。
1.
飲酒後の水泳やラフティングの前の飲酒は、事故の危険性が高まるので避けること。アルコールと水遊びは一緒にしてはならない。2.
激流でボートに乗る際は必ずライフジャケットを着用すること3.
川の流れや深さは地形によって異なる。急流や水の深い場所は泳ぎが下手な人には危険なので、あらかじめ安全な場所を選んでおこう。4.
豪雨の時、川はすぐに増水する。天気予報は事前にチェックしよう。5.
子どもたちの水遊びは、厳重な監督が必要。水に入る際のルールや注意事項は必ず教えよう。子どもにはライフジャケットは必須。6.
川遊びは仲間と 一緒に行く方が安全。誰かが溺れてしまった場合、助けを呼びに行ける可能性が高まる。7.
川のレジャーで忘れてはならないのが自然保護。環境を汚さず、美しい自然を次の世代に残すために、ごみはちゃんと拾って持ち帰ろう。関連記事